フランスの葬儀

「異邦人」で詳細に描写されるフランスの葬儀

フランスにおける葬儀の場面としては20世紀を代表する作家であるアルベール・カミュの「異邦人」が有名です。

「異邦人」では冒頭に「きょう、ママンが死んだ」という衝撃的な言葉が述べられるとともに主人公のムルソーが母親の葬儀に参列していく様子がかなり細かく描写されています。

描かれたのは現在から約100年前くらいのことですが、フランスで伝統的に行われてきた葬儀の方法を知るには最もよい資料といえます。

フランスにおいてはまず誰かが亡くなったときには新聞やインターネットにある「リスト・デ・デセ」という死者名の掲載リストで確認をすることになります。

もともとは新聞に掲載されている内容だったようですが、時代の変遷により現在ではネットでも閲覧ができるようになっています。

身内には直接伝達をされますが、それ以外の人にはそのリストにより葬儀の日程や式の方法、遺族からの弔問のお願いが掲載されます。

このリストが便利なのは「献花のみ受付」といったようにどういった参列方法を希望しているかを直接確認しなくてもわかるという点です。

日本では広告料を支払い依頼をしないと死亡広告を出すことはできませんが、フランスにおいては必ず新聞など主要メディアで確認できるようになっているので、かなりの人が毎日それを確認して知り合いが亡くなっていないかをチェックします。

葬儀と埋葬はだいたい1時間くらい

葬儀が行われるのは死亡が確認されてからだいたい3~5日くらいで、いつどこで行われるかということも同じリストで確認をすることができます。

葬儀はほとんどの場合最寄りの教会もしくは直接の墓地で行われることとなっており、そこで亡骸の入った棺桶にお祈りを捧げてそのまま土葬されることになります。

日本でいう香典という文化はなく、あって献花としてそれぞれ花を持ち寄って捧げることになります。

葬儀の最後には棺桶の中に花を入れてお別れの言葉を告げることになっており、手ぶらで参加をした人も他の人から花を受け取り一輪を中に入れるというふうにします。