葬儀にはどんな意味があるのか

葬儀とは亡くなった人を弔うための儀式です。
人は亡くなると動かぬ亡骸となってしまうわけですが、それを単純に「処理」するのではなく、きちんと新たな旅立ちとして送り出すということが大きな意味となっています。
そのため、葬儀という儀式にはそれを行う人たちの思想や信条、あるいは地域的な文化が大きく関係してきます。
現在は自分が亡くなったあとの葬儀方法について、生前に自分でプロデュースをしておくという人もいるようですが、葬儀にはそもそもどんな意味があるのかについて、それぞれの文化から探ってみようと思います。

まず、日本で現在最も多く行われているのが「火葬」という方法ですが、これは仏教の伝来とともに行われるようになってきた方式です。
それ以前にも日本国内では葬儀は行われてきましたが、基本的には土葬方式による場合が多く、遺体を埋める前に焼却するということはありませんでした。
火葬をした遺体は灰状になるため、土葬のように大きな棺桶を必要とはしなくなります。壺に入れてお墓の中や納骨堂に収められることになります。
なぜ火葬という方式がとられるようになったかというと、「荼毘に付す」という言葉のもととなった梵語の「jhpeta」という考え方にのっとったものであるためです。
荼毘という言葉にはそのまま火葬という意味も含まれているので、亡くなる=荼毘に付す=火葬で弔われる、という意味となって関連付けられたのです。

現在日本で行われる火葬は、きちんと指定をされた火葬場内で行われるようになっていますが、焼却をされたあとの灰の拾い方にもきちんと儀式的な行為がなされます。
燃え残った遺骨は専用の長い箸を使い、親族など立ち会った生前に交流のあった人同士で持ち合います。このとき、1つの骨を拾うのも2人(もしくは3人)で一緒に持つようにするところが特徴的です。
箸で持ち合うという儀式には、「箸渡し=橋渡し」という意味が込められています。
人は亡くなると三途の川を渡ると言われていますが、この川を無事に渡ることができるように、箸を使って願いをかけるということが、この儀式のもととなっている意味です。
骨を拾うことを正式には「骨上げ」と呼び、きちんと拾う順を守って行われます(拾い方や順番は地域によって差があります)。
ちなみに、火葬後に残る喉仏はお釈迦様が座っているような形のように見えることから、特別に「お舎利」と呼ばれ、喪主と特別に生前縁の深かった人の2人で持つことになっています。