花嫁のための習わし「嫁入り」とは?

「嫁入り」は花嫁の幸せを願うもの

家から花嫁が出て相手の家に入るという「嫁入りの儀礼」は日本の伝統行事の1つです。
婚礼の儀礼は、結納に始まり祝言、その後、と数ヶ月もかけて行われるたいへん長いものだったようです。
婚礼の儀礼とは、「道具入れ」「嫁入り」「祝言」の3つの行事のことを意味します。
ただし、嫁入りの行事については、日本全国その地域ごとに多種多様な慣習が山のようにあり、全て一様ではなく、何が正解というのはありません。

語呂合わせといった曖昧なものもありますので、決まったルールは存在していないと考えられます。
嫁入りの儀式について言えるのは、全てが花嫁の幸せを願う為の行事ということになります。
現在でも昔ながらの家から花嫁が出る「嫁入り」の習慣が残っている地域では、煩わしい作法を守るというよりは、花嫁が出る時や、花嫁が来る時に集まった人々は、お祭り気分で楽しい雰囲気で行われているようです。

嫁入りの儀式

昔の祝言は、夕方から開かれることが多かった為、花嫁が出立ちも午後3時頃と遅めのスタートでした。
嫁入り当日は、花嫁衣装を着て、お迎えに来た仲人と共に花婿の家へ向かいます。
お迎えは地域によっても異なり、お迎えの人だったり、仲人だったり新郎である場合もあり、場所も花嫁家や村境までだったりしたようです。

また、本来はお迎えではなく、花嫁が家族や親戚と行列を組み、「花嫁道中」として花婿の家へ向かったとされており、今現在も、そのような慣習が残る地域があります。
両親への挨拶は、奥の間で両親と花嫁の3人で行うこともあれば、集まった親戚や近所の人一同の前で挨拶することもあります。
地域によっては前の晩に3人だけで済ませることもあるようです。
現在の披露宴最後の花嫁の手紙は、これが原型とのことです。

いよいよ生家を出る際には、花嫁は縁側から出たり、後ろ向きで出ます。
花嫁が出た後は、庭先でそれまで花嫁が使っていた茶碗を割ったり、箸を燃やしたり、葬式のように門火(かどび)を焚いたりします。
これは、「嫁ぎ先で幸せになって、再び戻ってくることがないように」という願いが込められています。
一行が花婿の家に到着する時にも門火を焚いて、花嫁にくぐらせる慣習もあります。

花婿の家では、慶事の幕を張り、親戚一同花嫁の到着を待ち構えています。
近隣の人も集まり、花嫁が花婿の家に到着したら、この時集まった人々へ花嫁菓子を配ることもあります。
花嫁は縁側から家に入り、まず先にお仏壇参りをしてから花婿の両親への挨拶へと続きます。
この後、祝言が始まりますが、現在では神社や結婚式場に向かったりします。
嫁入りの行事は、人と人、地域のつながりを重んじる大切な日本の伝統行事と言えるでしょう。